おもしろコラム1月号2024
69/176

江戸時代、お正月におせち料理という考え方はなく、お正月やお盆、節句のお祭りに来客などにふるまう「煮しめ」が、おせち料理の原点。明治大正のころに、数の子や煮豆、昆布巻き、たたきごぼうが使われるようになります。それでも地方によって食材はバラバラ。全国的に現在のかたちに統一されるのは、やはり百貨店などの売り出しや、婦人雑誌やテレビで作り方が紹介されるようになってからです。おせち料理の伝統といっても、実質は戦後、それもテレビ等が普及するようになってからと考えると、案外浅いものなのですね。そしてよくいわれる「おせち料理は女性も、お正月にのんびりしてもらうためにできた」という説がありますが、どうもこれも疑わしいのです。だって、おせち料理って、作るとなるとすごく大変。お正月の三が日ずっとおせちってわけもいかず、結局何かを作ることになりますしね。みなさんは次のお正月に、おせちを作りますか? すか? どちらにせよ、よいお正月を。       (食文化研究家:巨椋修(おぐらおさむ))それとも買いま    1月号-69

元のページ  ../index.html#69

このブックを見る