おもしろコラム5月号
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絵:吉田たつちか)202204/- てそいのま点す、。権そ力し者てで、あ日り本なのが室ら町、幕旅府を三し代て将回軍っ・た足の利が義三満人の。場と合言はっ、    5月号-142  ても、必ずしも、気楽な観光旅行というわけでもなかったのは言うまでもないことで、古代ローマ帝国最盛期の皇帝・ハドリアヌスは辺境の地を皇帝自ら視察しているのに、首都を留守にし過ぎるという批判が巻き起こり、暗殺されそうになっていますし、中国最初の皇帝・秦の始皇帝に至っては、視察中にそのまま、帰らぬ人になっ前二者と違い将軍にはなったものの、権力基盤はまだ確立しておらず、全国を観光旅行にかこつけて巡遊し、各地の大名の内情を探り頼りになる武将を物色していたというのが本当のところのようです。そう考えれば、やはり、気軽に出かけられる現代人は、権力者より幸せなのかもしれませんね。      (小説家 池田平太郎

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