おもしろコラム5月号
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●今上天皇のお食事は?宮内庁の厨房に、26年間務めた谷部金次郎氏によると、朝はオートミールかコーンフレーク、昼と夜は、どちらかが和食か洋食。チャーハンや餃子といったものも食卓に並びました。お米を炊く水も水道水であったそうです。今上天皇陛下(現在の天皇陛下のこと)も、ごはんはムギメシ。その米も特別なものではなく地元のお米屋さんから標準米を購入して食べておられるとか。魚も高級魚が出されることは滅多になく、むしろアジ、サバ、サンマといった大衆魚が中心。肉や野菜、乳製品などは、宮内庁が管理している栃木県の御料牧場で作ったものを食べておられるそうです。御料牧場以外は意外と質素ですね、もしかしたら我々庶民のほうが豪華な料理を食べているのかも知れません。今上天皇陛下は外出されたり、ご公務で旅行をするとき、カレーライスを注文することは有名です。東日本大震災直後のお見舞いのときも「昼食は基地のカレーを」といったのも有名。これは、陛下ご自身がお好きなのはもちろん、相手にあまり手間や気を使わせないにようにとの気配りだそうです。さすが日本の『象徴』、頭が下がります。-         (食文化研究家:巨椋修(おぐらおさむ)(絵:そねたあゆみ)2017055月号-57

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