おもしろコラム5月号
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●美味しいアメリカ料理そしてハンバーガーやホットドックのようなファストフード(手軽さっと食べられる食事)。お手軽にさっと栄養補給できればそれでいいやというアメリカの合理主義を垣間見るようですね。このように書いてしまうと、いかにもアメリカ料理は美味しくなさそうに思えてしまいますが、例えばアメリカの家庭では先ほども話題に出したハンバーガーが、晩ご飯に出てくることがあります。もちろんファストフードの場合もありますが、中には手作りで大食漢のアメリカ人も大満足するほどの大変なボ    5月号-62  リュームがあり、とても美味しいものも多いといいます。またアメリカの料理上手なママが作った美味しいアップルパイとか、やはりアメリカにもおふくろの味があるのです。ステーキもアメリカを代表する美味。ある日本人が「アメリカ人はスライスした牛肉を焼いただけの料理を美味しがっているが、なんと味音痴なことか」とバカにすると、そのアメリカ人から「日本人だってスライスした生の魚をライスボールに乗せただけのをスシとかいってありがたがってるじゃないか」と言い返されたという笑い話があります。美味しい寿司を握るのが難しいように、美味しいステーキを焼くもの技術がいるのです。アメリカの料理は日本人が食べた場合、大味に感じたり、お菓子はあまりにも甘すぎたりすることがあります。しかしそれも食文化。他の国の料理もそうですが、その土地土地の食文化をバカにするなかれですね。      (食文化研究家:巨椋修(おぐらおさむ絵:吉田たつちか))201905/-         

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