おもしろコラム5月号
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●中国で生まれた麺が南米原産のトマトと出会うと 18世紀、一説によると中国で生まれた麺がシルクロードを渡りイタリアのスパゲティになり、南米原産のトマトがなど南国で栽培されたのに対して、ジャガイモは寒冷地に広まりました。ただしヨーロッパにおいてジャガイモはゴツゴツした容姿や芽や葉に毒があることから、食用として普及するのは    5月号-64  やがてスパゲティと出会うことで、トマトソースのスパゲティが誕生します。トマトもジャガイモと同じく最初は食べ物ではなく観賞用植物として普及しました。しかしイタリア人々はある日このトマトを加熱してソースにすることを思いつきます。トマトは元々とても酸っぱくて、現在のイタリアでもあまり生で食べる人はいませんでした。しかし加熱してソースにするとその酸味が美味しいとなり、スパゲティにからめて食べる料理を発明します。新大陸原産の食材としては他にトウガラシがあります。このトウガラシも世界の料理を変えた作物。「エッ、どういうこと?」と思う人もいるかも知れません。中南米が原産地ですが、これが中国に渡ることであの辛い中華料理、麻婆豆腐もエビチリも生まれませんでした。それに韓国のキムチも。トウガラシはピーマン、パプリカ、シシトウの仲間でナス科トウガラシ属。ピーマン・パプリカ・シシトウは甘トウガラシと呼ばれるもので、元々は辛いトウガラシの変種です。そのためかピーマンを英語だとグリーン・ペッパー、緑のコショウという意味。ピーマンの語源はフランス語のピマンでこれは元々辛いトウガラシ・辛くないトウガラシの総称。 世界の料理はどれだけ味気なくなったことでしょう。もしこのトウガラシ類がなければ、     18世紀後半であり、日本での普及は飢饉などの救済食品としてでした。

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