おもしろコラム5月号
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て世界の主食はすべて炭水化物です。また欧米では主食の概念が薄く、パンやジャガイモはむしろ、なくてはならない副食的存在という人もいます。大切なのはバランスよく食べること。そして楽しく美味しく食べることでしょう。       (食文化研究家:巨椋修(おぐらおさむ)パスタ料理のナポリタンが日本生まれだとご存じの方も多いことでしょう。ナポリタンは、終戦後にやってきた進駐軍たちが、スパゲティにトマトケチャップを和えて食べていたのを目撃した横浜のホテルニューグランドの総料理長、入江茂忠がナポリタンを発明したとされています。つまりナポリタンは戦後日本で誕生したということになるのですが、昭和のコメディアン古川ロッパの『古川ロッパ昭和日記』に1934年(昭和9年)12月22日に「三越の特別食堂で、スパゲティを食ってみた、淡々たる味で、(ナポリタン)うまい。少し水気が切れない感じ」と書かれています。この「ナポリタン」というスパゲティが、トマトケチャップを使ったものかどうかは不明。おそらくケチャップではなく、トマトソースを使ったものではないかと考えられています。絵:吉田たつちか)202204 日本生まれのイタリア料理? ナポリタンの謎   /- 5月号-83

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