九州を平らげてしまう勢いであったその矢先・・・、如水の期待虚しく、関ヶ原の戦いは、わずか一日で決着が付いてしまい、これにて、千載一遇の好機は去り、如水はあっさりと撤兵し、また、元の隠居に戻ったと言います。一見すると、うまいことだらけのように見えるこの話ですが実はそれほど楽な話ではありませんで、まず、肝心の黒田軍の主力は息子が率いて東上しているわけですから、如水の手許にある兵力は皆無に等しい・・・。どうするか?何と、如水は、兵士を金で買ったのです。それまで、節約して、蓄えておいた金を城の大広間に出し、募兵したところ、召しに応じて失業兵士たちが続々と集まってきたとか・・・。数百の浪人が、姓名、素性を名乗る中、如水はそれらに対し一々、言葉を掛け、無造作に金銀を一掴みずつ与えたと言います。ところが、その中に、一度もらったのに、また列の後ろに回って、もう一度、貰いにくる者がいたことから、それを家臣がめざとく見つけ、「この者は二重取りです。」と密かに如水に耳打ちしたところ、加水はただ頷いただけで素知らぬ顔で再び金銀を与えたとか・・・。たり、みな命がけで働くために駆けつけた者だ。さもしい私欲だけで軍資皆金がの去二っ重た取後りです、る如と水はは思家え臣ぬに。対永しの、「浪あ々ので者貧た乏ちしは、こ刀の槍度、の鎧合兜戦もに手放当8月号-103
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