hotelもhospitalもhospesそこで、設けられたのがホスペス(hospes)という施設。ラテン語で客人の保護者という意味です。ホスペスでは無料で巡礼者を泊めさせ、無料で治療もしていました。なぜならイエス・キリストの前では、みな平等。困っている人がいれば助け合い、病気の人がいれば面倒をみるのが当たり前という考え方だったからです。ホスペスを利用した巡礼者は「ありがとう」と礼を言い、そしてエルサレムへ旅立つのでした。ホスペスは、やがて宿泊を専門としたホテル(hotel)と病院(hospital)に別れます。良く見ると、英語のつづりが似ているのに気がつきませんか? それを知ると、今まで自分がお世話になったホテルや病院で、どうしてあんなに親切だったのか解かるような気がします。今やホスピタリティの心意気は、あらゆる業種に広まっています。そして、ホスピタリティを受ける私達が「ありがとう」と言うことが、最上の礼儀であることには今も昔も何ら変わりないようです。 (フードアナリスト 愛川いつきからできた言葉なのです。絵:そねたあゆみ)201308/- 8月号-73
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