おもしろコラム 巨椋 修
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変化する食卓の風景       いまから150年以上前、東京がまだ江戸と言われていた時代、江戸の食卓はいまとはずいぶん違ったものでした。おそらく皆さんが食事をするとき、テーブルを使う人がほとんどではないでしょうか? はありません。箱膳といって、30センチ四方くらいの箱がお膳でした。その箱には蓋が被せてあるか、あるいは引き出しがついていて自分の茶碗やお椀、箸などを収納できるようになっていました。箱膳でない場合でも丸や四角のお盆様なものを食膳にしたり足をつけたりして背を高くし、食べやすくした膳で食べていました。江戸っ子たちはあまり食器を洗わなかったようです。まったく洗わなかったというのではなく、食事の最後に湯漬けなどをするのですが、そのときタクアンなどで茶碗などをぬぐっておしまい。あまり衛生的とは言えませんね。水が貴重ということもあって、ジャブジャブと洗うことはあまりありませんでした。  江戸時代でも長崎など一部の西日本は箱膳ではなく、ちゃぶ台を使用して食事をしていました。それが全国に広まっ江戸時代、まだテーブル江戸時代の食卓明治時代、箱膳からちゃぶ台へ104      

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