おもしろコラム 巨椋 修
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ト、ダイエットと、老若男女が贅肉は敵だとばかりのダイエットブーム。このブームは、まさに新たに出て来た世界的な食文化といえます。このダイエットなるブームは、日本では1960年代からはじまりました。美脚にミニスカートが似合うイギリスのモデル「ツイッギー」があらわれ、正直「大根足」と言われても仕方がなかった当時の日本女性にショックと羨望を抱かせたのでありました。その後から現在に至るまで、出てくる出てくる次から次へと新たなるダイエット法、ダイエット食が。紅茶キノコが痩せるだのウーロン茶は脂肪を燃焼させるだの、リンゴばっかり食べるとかキャベツばっかり食べるとか朝バナナで痩せるとか…、でも長続きした人はほとんどいなかったようです。だからいまでも次々と新しいダイエット法が出る。なぜ出てくるのかというと、成功した人があまりいなかったからかも知れません。  なぜ20世紀後半からダイエットブームが起こったかというと、これは「食」と大いに関係があるのです。それ以前、必ずしも痩せた女性が人気であったとは限りません。それ以前の西洋画における裸婦像にほっそりした女性はほとんどおらず、ぽっちゃり型ばかり。いまでもケニアや南洋の島々の女性はふくよかな女性がモテるとか。理由は食糧事情が苦しかった時代、太っていることは豊かさの現われ。それが美しいとされていたようです。しかし20世紀の後半あたりから、先進国での女性美に関する認識が変わり始めます。食料が有り余るようになると、太っていること=豊かさではなく、怠惰とみなされるようになってきます。これは女性美はその時代の富の現われか?111       

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