おもしろコラム 巨椋 修
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学童への給食のはじまりは、1796年ドイツのミュンヘンでルンフォルドという伯爵が貧しい子どもたちに地元の食堂でスープをふるまったのがはじまりとされています。日本では明治22年山形県鶴岡町の私立忠愛小学校で、貧困児童を対象に無料で学校給食を実施する。これが我が国の学校給食の起源とされています。ちなみにこの小学校は仏教の各宗派がお金を出し合って作ったもので、私立ですが授業料をとらず給食費もとりませんでした。ヨーロッパも日本も、給食の目的は貧しい子どもたちへの救済だったのです。  昭和7年(1932)、昭和恐き慌このあおりで栄養状態の悪い児童がたくさんいたため、日本政府が補助金を出して給食を奨し励れするようになりました。これが国による最初の給食です。しかし第二次世界大変の混乱もあり、全国の児童全員に給食がいきわたることはありませんでした。敗戦後に日本は深刻な食糧不足を迎えます。終戦直後の日本人は100万人が餓死するとさえいわれていたのです。しかし、しかし日本政府もアメリカに食糧支援を頼みますが、アメリカをはじめとするGHQ(占領軍)は最初、日本に食糧援助をする気はありませんでした。戦争に負けたおまえらが悪いというわけです。しかしソ連や中国といった社会主義国の台頭と東西冷戦がはじまると態度が変わります。日本を取り込んでソ連や中国の太平洋上の盾たとなってもらうためです。しかしアメリカはヨーロッパや日本が占領していた東南アジアにも食糧援助をしなくてはならず、日本政府が300万トンの食糧を求めても、60万トンしか輸出を認めませんでした。ょう て   い う   ょう本格的な給食は戦後から116

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