おもしろコラム 巨椋 修
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  人類が料理をはじめてから、当然スープや汁物は作られていましたが、飲み物らしい飲み物の登場はやはりお茶でありましょう。お茶が歴史に登場するのは3世紀頃、場所は中国、ちょうど三国志の時代です。当時のお茶は大変高価なものでしたが時代が過ぎるうちにどんどんと中国中に広まり、唐の時代(618~907年)になると、お茶は全中国で飲まれるようになります。お茶が日本に伝わったのは奈良時代から平安時代にかけて。日本に伝わったお茶は茶道という日本独特の文化をもたらしました。中国発のお茶は、17世紀に東南アジアに進出していたオランダの東インド会社からヨーロッパに伝えられます。やがてイギリス人たちは、お茶に砂糖を入れて楽しむという方法を発見します。18世紀、イギリス東インド会社が中国茶のヨーロッパへの輸入を独占するようになり大儲け。世界に冠たる大英帝国は大繁栄。一方、その頃はまだイギリスの植民地だったアメリカにお茶への重税がかかり、それに反発したアメリカ人たちが大激怒。やがてそれがアメリカ独立戦争へとつながるのですからたかが飲み物というべからず。飲み物も歴史を変えるのです。お茶の登場126      

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