おもしろコラム 巨椋 修
128/318

  怒ったアメリカ人たちはお茶(紅茶)をやめ、コーヒーを紅茶の代替品として飲みだします。さてこのコーヒー、歴史上登場したのは10世紀の頃、アラビアの医師が強心剤や利尿剤の薬として使っていたというもの。コーヒーはまずアラブ社会で飲まれるようになります。そのコーヒーがヨーロッパに伝わったのは17世紀初め。それまでアラブ社会、つまりイスラム教徒の飲み物だったのが、ローマ法王が「この飲み物を異教徒のみが飲むのはもったいない」といい、ヨーロッパのキリスト教徒たちが抵抗なく飲めるようになったといいます。やがてコーヒーを飲ますお店「コーヒーハウス(喫茶店)」がヨーロッパに登場。男たちの社交場となり、男たちはコーヒーハウスで政治や芸術論を話し合う社交場となります。フランス革命前のパリではコーヒーハウスは「カフェー」と呼ばれ、このカフェーでフランス革命を起こす革命家たちが政治談議に花を咲かせたとか。日本におけるカフェーは明治時代にはじまりましたが、ヨーロッパのカフェーでは女人禁制、給仕も男性だったのに対し、女給を置いたため、いまでいうキャバクラのようになりました。日本の場合、太平洋戦争が終了したあとでもカフェー、喫茶店は不良が行くところ、中高生は行ってはいけない場所となったのは、そういう歴史があったからです。  コーヒーが世界に広まった清涼飲料水の登場127     

元のページ  ../index.html#128

このブックを見る