おもしろコラム 巨椋 修
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農民のランチは農作業をして、お昼に家に帰って食べるもの。しかし商工業の労働者は、家に帰れません。農家だとランチを食べた後少しのんびりして……、と余裕がありますが、商工業だとお昼休みは1時間。とにかくさっと食べて少しコーヒーを飲んだら、すぐに工場に戻らないといけない。すると、そんな労働者たちを当て込んで、工場の周りにファーストフードの屋台がたくさん出るようになる。その中に、ハンバーガーの屋台もあったのですが、元々は挽き肉ではなく肉をスライスしたものだったのです。しかし当時の労働者には歯が悪い人も多かった。そこで挽き肉にしたものなら、肉を噛み切る必要がないので大好評。ちなみにこの時期に広まったのが、ホットドック。焼いたソーセージにパン、ケチャップやマスタード。ハンバーガーと似ていますね。どちらも安いのが魅力。それは普段なら捨てるようなステーキで使われなかった部分や内臓、スジなどを入れているから。1948年(昭和23)、アメリカのカリフォルニア州でマクドナルド兄弟が小さなハンバーガーショップをはじめます。やがてマクドナルドは、全世界に広まり、ハンバーガーの代名詞にまでなるのでした。136     

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