おもしろコラム 巨椋 修
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羊羹の煮こごりを真似た精進料理が、すでに中国にあったのか? が、少なくとも日本では、羊のスープが冷めたときにできる煮こごりを真似たものを『羊羹』と呼ぶようになったと言われています。おもしろいですね  明治大学の張競教授の『中華料理の文化史』によると現代の中国では、お肉の値       段の高い順に並べると、牛、鶏、豚、羊という順番になるそうです。しかし、宋の時代(960年~1279年) では、牛肉や豚肉はあまり食べられていなかったといいます。理由は、牛は農耕のトラクター代わりに使うため、食用が禁じられていたことと、豚は犬や猫のエサ用の安い下等な肉ということで、あまり好まれなかったといいます。宋の時代の書物には、豚肉のことを「「泥みたいに安く、金持ちは見向きもしない」と書かれており、いつの時代でも、金持ちより貧民が多いのが普通ですから、庶民の食べ物だったのでしょうね。現在の中国では「四本足で食べない物は机と椅子だけ、二本足で食べない物は両親だけ、空を飛ぶ物で食べないのは飛行機だけ、水中に居る物で食べないのは潜水艦だけ」とすら、言われるくらい、なんでも食材にしてしまう中国料理ですが、宋あるいは日本で開発されたのかはわかりません宋の時代、牛肉や豚肉はあまり好まれなかった謎143

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