おもしろコラム 巨椋 修
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料理はいかに誕生したかおそらく人間以外に料理をする生き物はいないでしょう。そんな人類が野生の食べ物に手を加えて食べるようになった初めは、おそらく石などを使って、木の実を割ったり砕いたりしたのが最初かも知れません。しかし、これだけなら、まだ料理とはいえないかも知れませんね。いまから50万年前、人間は火を手に入れます。おそらく最初は雷などで自然発火した山火事などのとき、たまたま焼けた動植物を食べ、生のものよりも柔らかく美味になったことを知ったのでしょう。火は食べ物を美味しくするだけではなく、夜を照らし、寒さから守ってくれるものです。人間が自分たちの好きなとき火を利用できるように、火種を絶やさないように工夫したり、木を擦り合わせたり、火打石のようなものを利用することで、火を自由に利用することは、文明のはじまりといってもいいくらいの、衝撃的なことであったに違いありません。火を手に入れた人類は、明かりと暖かさだけではなく、固く冷たかった食べ物を、柔らかく温かくして食べることができるようになり、また多少傷んだ食べ物でも殺菌して食べることが可能になりました。  火を使って食べ物を焼く、温めることを知った人間ですが、当初は木の枝に刺して火であぶったり、直接火に放り火の利用器の発明        14  

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