おもしろコラム 巨椋 修
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ちなみに欧米、特にアメリカでニワトリは安価で貧困層や黒人がよく食べる肉とされ、チキンは臆病者、コックは男性器といった隠語になったりしています。明治の後半には焼き鳥の屋台が現れます。記録によると、出していたのはやはり内臓肉か端っこのくず肉。ウシ、ブタ、イヌ。そしてスズメやツグミといった小鳥類。これは終戦後の闇市まで続きます。もちろん、潮流階級、富裕層はそんなものは食べません。大正時代には高級焼き鳥店が現れ、ちゃんとニワトリを出しています。洋食屋ではロースト・チキンやチキンライスを食べるようになりました。終戦後もニワトリは高級という時代が続きます。それを変えたのが、昭和30年代半ば、1960年代、高度成長期の時代に入ってきた『ブロイラー』です。ブロイラーとはとで、他の地鶏等に比べて半分くらいの日数で出荷できるニワトリのこと。つまりはブロイラーで食用ニワトリを大量生産ができるようになりました。そうなると、これまで高価だったニワトリを安価で食短期間で出荷できる肉用若鶏のこ171     「  」60年代ブロイラーが焼き鳥の歴史を変えた

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