おもしろコラム 巨椋 修
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時はコカインよりもお酒の方が悪者だったのです。ペンバートンは、お酒を含まないコカイン入りの治療薬の研究することになるのですが、そこで目をつけたの「コーラ」です。コーラはアフリカ原産の樹木で、その実にはカフェインが含まれています。ペンバートンはコカイン+コーラエキスで新しい治療薬を創ろうとしたのでした。しかしなかなかうまくいきません。味は悪くないので、失敗作に冷たい水を入れるように助手に指示すると、助手も冷たい水と炭酸水を間違えてコップに入れてしまいます。しかし飲んでみると美味しい。これがコカ・コーラの誕生した瞬間でした。失敗作に助手も間違えて入れた炭酸水、二重の失敗という偶然から生まれたのがコカ・コーラだったのです。コカ・コーラは最初、薬局で売られていました。当時は薬局で、コカ・コーラの原液を炭酸水で割って薬局の片隅で飲むものでしたが、それでも人気が出るようになりました。またこの時代に薬局以外でも飲めるようにと瓶詰にして売るようになります。そしてその時代、ようやくコカインの害に気が付いた人たちが、お酒より安価で子どもでも飲めるコカ・コーラを非難するようになり、コカ・コーラ社はコカイン成分を抜くことになります。183     

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