おもしろコラム 巨椋 修
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そんな日本人にとって大切なお米ですが、近藤博士が全国990の村や町を調べたところ、米ばかりで野菜を食べていない村は総じて短命な人が多かったのです。漁村などでも、米と魚ばかりで野菜不足の村は短命であったとか。  では長寿村の人たちはどのようなものを食べていたかというと、緑黄色野菜、海草、大豆食品を多く食べていたとのこと。魚は切り身ではなく、小魚を丸ごと食べる習慣を持っている人たちのほうが長寿であったそうです。このように書くと、まるでご飯がまるで悪役のようですが、ようはいろいろな食品をバランスよく食べるということが長寿につきるということでありましょう。  近藤博士の研究は、昭和10年~45年頃ですから、いまの食習慣とはずいぶんと違っています。博士が研究をしていた昭和40年頃は、日本人がもっともお米を食べていた時代で、年間1人当たり120キロ近くを食べていたのが、現在では60キロ程度にまで激減しています。これはお米以外にパンや麺類といったものに取って代わられたからでしょうが、近藤博士の研究を現代に応用するとしたら、いま流行りの糖質制限ダイエットは有効かも知れません。緑黄色野菜・海草・大豆食品が長寿の決めて近藤博士の研究を現代に応用する188      

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