おもしろコラム 巨椋 修
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江戸時代の夏バテ対策       夏バテの主な原因は、高温多湿になって睡眠不足になりやすくなる。暑いために清涼飲料等を飲み過ぎて胃が疲れて食欲がなくなる。そうめんや冷や麦といった炭水化物が多くなり、栄養のバランスが崩れる。汗がたくさん出て塩分やミネラルが足りなくなり体調を崩してしまうなどがあります。この困った夏バテの対策としては、いろいろ言われておりますが、江戸時代の人たちは、どんなものを食べて夏バテ対策をしていたのでしょうか?江戸時代の人たちは『う』のつく食べ物を夏バテ防止に食べていたといいます。例えば『うなぎ』ですが、江戸時代どころか平安時代に書かれた万葉集に「夏痩せにはうなぎがいい」という歌があるくらいで、日本人は夏バテ防止のために、ずいぶんと昔から『うなぎ』を食べていたようです。『うなぎ』には豊富なたんぱく質、ビタミンA、B1、B2、E、いま話題のDHA・EPA、胃の粘膜を保護するムチンなどが入っています。他に『う』のつく食べ物としては『梅干し』。『梅干し』には疲労回復に効くクエン酸が入っています。そして『瓜』。瓜類である『キュウリ』や『スイカ』がありますが、『キュウリ』には食欲増進、利尿効果、体を冷やすなどの効果があり、『スイカ』は水分補給に利尿効果と夏にうってつけ。カリウムに、リコピン、ビタミンB1、そして江戸っ子の夏の飲み物は『甘酒』。『甘酒』にはたくさんの酵素とビタミンB1、B12、B6をはじめ他にも栄養成197     B2、C、カルシウム、リン、ミネラル、アルギニンも入っています。

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