おもしろコラム 巨椋 修
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分豊富。現代でも「飲む点滴」とさえ言われているのです。昔の人は夏バテに効く食べ物を体験から知っていたのですね。  現在、夏バテに効果があるとされる栄養素は、『たんぱく質』『ビタミンB1』が代表となっています。江戸時代の人はあまり肉を食べませんでした。ではどこでたんぱく質を補給していたかというと、ほとんどをお米で摂っていたのです。江戸時代の男性平均身長155センチ、平均体重50キロぐらい。一日に食べるお米は、なんと5合も食べていました。 5合のお米に含まれるたんぱく質は約46グラム。人間に必要なタンパク質が一日1グラムとして、必要摂取量は50数グラムですから、江戸時代の人はたんぱく質のほとんどをご飯から摂取していたのです。さらに味噌、豆腐といった大豆食品も日常的に食べていましたから、たんぱく質は足りていたようです。しかし、郊外の人はともかく江戸のような大都会では、精米したお米は胚芽という、ビタミンB群がたくさんの部分を取ってしまうので、江戸ではビタミンB1欠乏症である脚気にかかる人が多かったとか。さてここで前述した『うなぎ』の栄養素を思い出してください。たん夏バテ防止食はうつにも効果あり198      

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