おもしろコラム 巨椋 修
208/318

  我々現生人類ホモ・サピエンスが誕生したのは約20万年前。農耕のはじまりは1万年とも2万年ともいわれていますが、圧倒的に農耕以前の狩猟採集時代、我々がイメージする原始時代が長いのです。ホモ・サピエンスは頭脳が他の動物に比べて圧倒的に発達しているにも関わらず、19万人から18万年もの長きにわたり、農業を行わず、他の動物と同じような狩猟採集生活を送ってきたのでしょうか?その答えとして、狩猟採集時代の食糧事情が大変豊かであったことにあります。狩猟採集時代、ヒトは一か所に定住せず、移動しながら食糧を得ていました。移動した場所にしばらくいて、その周囲の食糧が少なくなったら、また別の場所に移動するという生活です。日本の場合、狩猟採集生活をしていたのは縄文人と言われています。「いくら豊かといっても……」と思う人も多いでしょう。縄文人の生活は、1日2~3時間働いて、あとは遊んだりおしゃべりしていたといいます。狩猟にいくときも、2~3日狩りに行き、獲物が獲れ豊かだった原始時代207      

元のページ  ../index.html#208

このブックを見る