おもしろコラム 巨椋 修
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  焼肉屋さんにいくとホルモン焼きも食べることができます。いわゆる『ホルモン焼き』というのは、牛や豚の内臓を焼いて食べるもの。その語源として多くの人は大阪弁で捨てるものという意味の「放る(ほうる)もん」がホルモンになったという説があります。戦前、肉食に慣れていなかった日本人は、牛や豚の内臓を食べるということをあまり知らず、内臓のほとんど捨てていたため「放るもん」=「ホルモン」になったという説です。なかなか説得力のある説ではありますが、残念ながら事実ではありません。ホルモン焼きのホルモンは、いわゆる男性ホルモンや女性ホルモンなど、体内の化学物質のホルモンから来ているのです。男性ホルモン、女性ホルモンといった名前でもわかるように、性や精力に関係があるこのホルモンが「いかにも精力がつきそう」ということで、戦前に動物の内臓料理や、精力がつくとされる卵や、山芋などが「ホルモン料理」と呼ばれるようになりました。牛や豚を焼肉同様に内蔵を焼いたものをスタミナ料理として「ホルモン焼き」と呼ぶようになったとのことです。ホルモン焼きのホルモンって?20     

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