おもしろコラム 巨椋 修
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ではこれらの動物たちの野生種は現在どうなっているでしょう? 地上最強クラスのトラやライオンもほとんどが絶滅寸前。ウシの原種であるオーロックスは17世紀に絶滅。バッファローとも言われるアメリカ・バイソンは一時絶滅寸前になり、なんとか復活。ヨーロッパ・バイソンの野生種は絶滅するもアメリカ・バイソンとのハイブリッドを作り、野生に再導入にして生き残っています。他の家畜の野生種も決して数が多いというわけではありません。一方、家畜のウシは世界中で14.7億頭、ブタは9.9億頭、ヒツジは12.0億頭、ヤギは生物の目的が、自分の遺伝子や種を後世に残すことだとすると、家畜化された動物たちは人間に飼われることで大成功しているとはいえるのです。  人類が農耕をはじめたのは最初、コムギの栽培だったようです。人間たちはコムギを栽培することで、その数をどんどん増やしていきます。当然、人間に食べられるコムギも数と生息地を人間と共に増やしていきました。それから数千年、コムギ畑の周囲にはコムギの仲間であるカラスムギやオーツムギが自生していたのですが、彼らはいました。そこでちょっとした変化がありました。なんとカラスムギやオーツムギたちが、  ”“    イヌの原種オオカミは絶滅危惧種。野生ネコや雑草として人間に引っこ抜かれ続けて人間に栽培されるために擬態した植物たち22610.1億頭、ニワトリに至ってはなんと214.1億羽!

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