おもしろコラム 巨椋 修
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世界にはいろいろな宗教があって、ある食べ物をタブーにする場合も少なくない。例えばヒンズー教ではウシはダメ、イスラム教ではブタはダメといったタブーがありますが、ニワトリはダメといった宗教は聞いたことがありません。現在、世界で飼われているニワトリは200臆羽とも650臆羽とも。人類が78億人ですから圧倒的な多さです。この圧倒的多さというのは、ニワトリが人類の食を支えているということでもあります。2012年、鳥インフルエンザがメキシコシティで流行し、メキシコシティのお店から鶏肉や玉子が消えたことがあるんです。すると途端に暴動がおきた。それほどニワトリは人類の食卓に影響を与える存在であるということであり、また命を支えているとも言えそうです。だからNASA(アメリカ航空宇宙局)でもニワトリを宇宙ステーションで飼えるかなんていう研究をしているそうです。宇宙ステーションや他の惑星にウシやブタを連れ行って飼育するのは大変ですが、ニワトリなら低コストでカンタンですから。日本の食文化でも、ニワトリは重要でした。昔の日本は肉食を避ける伝統がありましたが、ニワトリは別。玉子に関しては、江戸時代のベストセラー『卵百珍』には103種類の玉子料理が掲載されています。アメリカでも開拓時代、鶏肉料理が発達しました。開拓時代は、234      

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