おもしろコラム 巨椋 修
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割り箸って環境に悪いの?いつも飢えと戦っていた時代。特に貧しい白人、黒人、ユダヤ人にとって、貴重なたんぱく源でした。そんなアメリカ南部の鶏肉料理から生まれたのが、現在世界中に広まった『ケンタッキーフライドチキン』だったりします。人類史においても食文化史においても、ニワトリはなくてはならないものなのでした。       東アジア、東南アジアは箸はの食文化の地域ですが、とりわけ日本は、お箸に特化した民族です。日本人は生まれて100日たつと「お食い初め」でお箸を使う儀式を行い、亡くなるとお骨をお箸でお骨を拾い、お供えのご飯はお箸を立てて供養をします。まさにゆりかごから天国まで、お箸と付き合っていくのが日本人。なんでも「はし」という言葉は、人間と神様を「橋渡し」する意味もあるんだとか。さらに箸文化圏でも、「自分専用のお箸」を持つのは、日本のみの食文化です。これは日本独特の宗教的心理から来ているらしく、他人が使ったお箸を使うと、どうも「穢けれ」のようなものを感じる精神性があるようなのです。不思議なもので、おなじ食器であるレンゲやナイフ、フォークにはその感覚はありません。 「他人が使ったお箸を使うと何か気持ちが悪い」この感覚が、使い捨ての割り箸を生んだのかもしれませんね。 が  し  235

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