おもしろコラム 巨椋 修
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うどんを食べると凶暴になる!?    粉食の歴史は古く、小麦の栽培はいまから1万年前に中央アジアではじまったとされ、紀元前7千年のメソポタミアでは遺跡から、石臼が発見されていることを見れば、小麦など穀物をすり潰して粉にし、せんべいのように焼いたり、団子にして食べていたようです。やはり中国でも紀元前7000年あたりに小麦の栽培が始まっていたようです。中国で小麦が本格的に栽培されるようになったのは漢の時代(紀元前206年~220年)のときであったと言われています。そして、どうもこの時代に麺というものが誕生したらしいのです。麺とは穀物を粉にしたものを、水に溶いて伸ばすなり、切って細長くしたもの。うどん、ソバ、スパゲティなどなどのことを差しますが、この中国で生まれた麺が日本にやってきてうどんやソバになり、シルクロードを通ってイタリアのスパゲティになったと言われています。たったいま、麺は、シルクロードを通ってイタリアのパスタになったと書いたばかりなんですが、わたしはこれを絶対” “     とは考えていないんです。当時のイタリア、つまりはローマ帝国の時代なんですがローマなどヨーロッパの人々は、小麦粉を使った料理、おそらく発酵させていない硬いパンを主に食べていたか、団子にしたりせんべい状にしたりして食べていたと考えられるのです。そのとき、誰かがその団子状になったものを、細長くしてみようとか、せんべい状になったものを細長く切ってやろうとか思ったとしても不思議ではない。254

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