おもしろコラム 巨椋 修
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B級グルメが食文化を作る?     B級グルメとは、安くて美味しい庶民の食べ物のこと。例えばラーメン、カレーライス、牛丼、焼きそば、餃子などなどなどなど。B級グルメのほとんどは、いわばファーストフード。美食家の方々の中には、これらB級グルメをちょっと小バカにする人がいるかも知れません。いえいえ、これらB級グルメってバカにしたものじゃございませんぞ。なんといっても、日本を代表するお料理の中には、発祥がB級グルメなものがたくさんあるのです。例えば、日本代表する料理であるお寿司。海外でも大好評のお寿司は、江戸時代屋台で売っていたB級グルメ。日本を代表する天ぷらも、江戸時代屋台で売っていた庶民の食べ物。屋台で売っていたファーストフードが、やがて日本を代表する料理になるなんて、江戸時代の人は想像だにしなかったことでしょう。いまB級グルメで地方の町を活性化しようとする活動が、いろいろな地方都市で活発になっています。地方のB級グルメは、なかなか他の地域では食べられないため、評判になればそのB級グルメを目当てに、観光客がやってきたりするのです。例えば、宇都宮の餃子、広島のお好み焼き、香川のうどん、横須賀の海軍カレー、札幌の味噌ラーメン……数え上げればきりがないほどです。皆さんもこういった地方に旅行したとき、楽しみの一つとして、各地のB級グルメを食べるのを楽しみにしている人がいるはず。これらのB級グルメも、もしかしたら100年後にはお寿司や天ぷらのように、高級料理になっているかも知れないのです。267    

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