おもしろコラム 巨椋 修
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明治時代になると、文明開化の波とともに、庶民もほんの少しずつですが、牛乳を飲むようになりました。  さて、我々が現在美味しくいただいているクリームシチューですが、どうやらこの食べ物が一般に広まったのは、戦後になってから。戦後、栄養不足の子どもたちのために、アメリカのユニセフや支援団体からの援助で、給食で脱脂粉乳(スキムミルク)が使われるようになりました。当時の脱脂粉乳は、臭いがひどく決して評判のいいものではありませんでしたが、この脱脂粉乳を現材料にした『白シチュー』というものが給食に出されるようになり、やがてレシピがテレビ等で紹介されるようになりました。残念ながら、私個人は、この『白シチュー』を食べたことはないのですが、この『白シチュー』が、後の『クリームシチュー』の原型になります。1966年(昭和41年)、ハウス食品が『クリームシチューミクス』という商品を発売します。この『クリームシチューミクス』はカレールウを参考に開発しただけに、       み作り方や材料はほぼ一緒。おそらくこの作り方や材料をも含めて、当時の人に馴な染じみやすかったのではないでしょうか? 『クリームシチューミクス』は大ヒットとなり、やがて日本の食卓での定番料理となったのです。クリームシチューは戦後誕生した和製洋食27

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