おもしろコラム 巨椋 修
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食文化は損得勘定!?       地球に生きる生命体で、人間ほど多様なものを食べ、それもAという食材という食材をB、C、Dなど複数の食材と合わせたり混ぜたりして食べるという、フクザツな食べ方をする生物は、おそらく人間だけでしょう。そして現在の人間は、人類発祥以来もっとも贅沢な食事を毎日とっているといって過言ではありません。例えば、皆さんは今日の朝ごはんはどんなものを食べましたか? 納豆や味噌の原料である大豆は、日本での自給率わずか6%。ほとんどが海を渡ってやってきた舶来品なのです。え? パンとコーヒーとだけの貧しい食事ですって? ダ、オーストラリアなどはるばる太平洋を渡ってきて、私たちの口に入るわけです。コーヒーにいたってはブラジルなど地球の裏側からやってきて、私たちの食卓に並ぶことも少なくありません。皆さんが、質素な食事、貧しい食事と思っているものも、考えてみれば、世界中のありとあらゆるところから、集められてやってきた、ちょっと昔ならまさに山海の珍味であり、舶来品であり、信じられないくらいに贅沢なものであるといえないでしょうか?これは日本だけではなく、地球に住むほとんどの人類にも言えそうです。人類ほど、地球上のありとあらゆる場所から、食料を集めてきて食べる生き物はいません。パンの日本における生産量は15%。85%はアメリカやカナ納豆に味噌汁にご飯という質素なもの? その人類は生物の中でもっとも贅沢なもの食べている284       

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