おもしろコラム 巨椋 修
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  江戸時代の日本人は、あまり肉を食べませんでした。その肉体を支えたのが大豆食品。たとえば日本人が毎日飲む味噌汁。肉体を作る原料である8種のアミノ酸がすべて入っており、また脳の栄養になるビタミンB群も豊富、腸内細菌が話題になっていますが、味噌汁は腸内細菌を良くし、消化もいい。まさに理想的な栄養食品です。これは味噌汁だけではありません。他の大豆を加工した食べ物にも当てはまることです。さらに味噌汁にはいろいろな具を入れますが、それぞれの具が、大豆に足りない栄養を補強してくれるのです。美容やダイエットに効果が期待でき、成人病の予防も期待できる味噌汁をはじめとした大豆食品はまさに最強の食べ物といえるかも知れません。  味噌や醤油といった調味料、豆腐やきな粉、豆乳のような豆のカタチを残していないものから、納豆、煮豆、枝豆(ちなみに枝豆は成熟前の大豆です)、節分に撒く炒り豆といった豆の形状を残したものもあります。他に大豆を発芽したものを食べる『もやし』があります。もやしは平安時代から記録に残っているのですが、薬として食べられていたようで、日常の食卓にはほとんど出ることはなかったそうです。そんなもやしが一気に注目されるようになったのがもやしです。もやしはほんの4~5日あれば収穫できますし、日本人の体を支えた大豆もやしは戦中戦後に広まった289        

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