おもしろコラム 巨椋 修
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がおいしいので、朝に一日分のご飯を炊く習慣の江戸では納豆をおいしく食べることができましたが、大阪の朝ごはんは昨夜に炊いた冷えご飯なので、朝ごはんのおともとしては合わないのです。ゆえに大阪をはじめ西日本に納豆が広まらなかったと言われています。と……、いうことは……そう、日本にネバネバぬるぬる食品があったかご飯に合うから! サッと載せてツルツルといただく。これがパンだったらちょっとそうはいきませんものねえ。  体にいいイメージがあるネバネバぬるぬる食品ですが、こネバネバの正体は「ムチン」という成分です。このムチンは熱に弱いのです。ネバネバぬるぬる食品は、生やすりおろして食べるものが多いのですが、それには意味があったのですね。納豆には「ナットウキナーゼ」という酵素が入っていて、これは血液をサラサラにする効果があるのですが、このナットウキナーゼも熱に弱く、50度の熱で壊れだしてしまうのです。ですから、アツアツご飯に乗せて食べるとナットウキナーゼが死んでしまうことも……、しかし前述したように納豆はアツアツご飯と合うので、あまり混ぜないようにするとか、ご飯にのせないなど工夫とするといいかもしれません。そして、なるべくネバネバぬるぬる食品は生やすりおろして食べましょう。さて、ネバネバぬるぬる食品の効果としては、ムチンには疲労回復があります。また、胃の粘膜や鼻の粘膜の働きを高める効果がありますので、胃炎や胃潰瘍、花粉症の予防が期待できます。で、ありましょう。山芋類もあったかごはんにネバネバ食品は本当に身体にいいのか?296       

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