おもしろコラム 巨椋 修
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他の土地では考えられない発想ですね。私の出身地神戸市の垂水という町では小魚のいかなごがよく捕れたようで、地元の人が「くぎ煮」という家庭料理にしていましたが、いつの間にか名物になりました。このように地元の家庭料理、工夫料理が名物になるというのも魚食文化ですね。しかしそんなお魚大好き日本人にも、近年では魚離れが進んでいて、昭和40年と平成18年の1人1年当たりの購入量を比較すると、生鮮魚介類の購入量が約3割も減少しているそうです。魚離れの原因は、肉食の広がりだけでなく、「骨を取るのが面倒くさい」「料理がめんどうだから」というのが主な理由。実際、回転ずしなどでは子どもにも大人気なわけですから、「カンタンに作れて、カンタンに食べることができる」というように日本人の志向が変化してきたのが大きな理由のようです。魚介類はカルシウムをはじめとするミネラルのほか、「DHA(ドコサヘキサエン酸)」や「EPA(エイコサペンタエン酸)」などの栄養素がふんだんにあり、しかもこのDHAやEPAは体内で作ることができないため、食べ物から摂る必要がある栄養素です。このDHAやEPAは記憶力・集中力の維持、目の健康の維持311     

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