おもしろコラム 巨椋 修
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日本の家庭に入ってきた洋食文化などの効果があるとされ、魚を多く食べるほど心筋梗塞になりにくいといった研究報告もあるくらいで、魚離れは日本人の健康に悪影響を与えるのでは? さてさて、お魚大好き日本人。これからも日本の魚食文化を伝え、発展させていってほしいものです。     異文化が交流するとき、そこに生まれるのが食の文化交流です。日本の場合、明治時代と、終戦後にそれが起こりました。西洋や中国といった国から、さまざまな料理が日本に入ってきて、おそらくこれは日本独特だと思うのですが、海外の料理は、日本風にアレンジされ、外食だけではなく、家庭料理として家の中にまで入ってきました。日本人はそれを「洋食」といいました。海外から入ってきた食べ物が、日本の家庭料理として居つくには、ひとつの大きな壁がありました。それが【白いご飯のおかずに合うかどうか】です。外食はともかく、家庭料理として、これは絶対に必要なことでした。終戦後、日本人の栄養バランス向上のため、キッチンカーによる料理指導が行われました。そこでタンパク質や油分が不足がちだった日本人のために「一日一回フライパンで料理をしよう」をテーマに指導がなされていました。フライパンに必要なものといえば油で、そこから洋食には欠かせないサラダ油が広まります。当時、サラダ油は高価なものでしたが、おいしいものを家庭で食べたいという欲求から、広まっていったのです。また、戦後の時代、欧米に憧れる日本人にとって、家庭で食べる洋食はちょっとした贅沢な食品でもありました。と懸念されているといいます。312      

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