おもしろコラム 巨椋 修
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  鍋料理が一般に普及し、各家庭で楽しめるようになったのは、意外と最近で、なんと1970年代半ば頃からといわれています。それまでは鍋料理はお店で食べるものだったのです。それが69年にカセットコンロが発売され、爆発的にヒット! セットコンロが鍋料理を一般家庭に普及させた最大功労者といっていいでしょう。それまで、直箸で料理をつつくのを「ケガレ」と考えていた日本人の潜在意識を少しずつ変えていったのです。それまでは、同じ鍋から料理を食べるのを「ケガレ」と考えていた日本人も、最初は家族、そして親しい人の証しとして、直箸で食べるようになる人も出てきました。まさに「同じ釜の飯を食った仲」ではなく「同じ鍋から食べた仲」といった感じでしょうか。いまや鍋の世界もトマト鍋やミルク鍋、豆乳鍋、チーズ鍋と次々に新しい鍋料理が生まれていますが、これももしかしたらカセットコンロのおかげかも知れませんね。このカカセットコンロが鍋料理を家庭料理にした!33      

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