おもしろコラム 巨椋 修
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  明治以降に開発された鍋料理たち酢醤油などで食べるもよしの超カンタン料理であったりします。よって、江戸時代では、武士も庶民も独身者・単身者は鍋をつついていたのです。武士の場合、高級武士であれば下男などがいて炊事をしてくれましたが、下男下女がいなかったり、雇えない者は自炊。下級武士となれば数人で相部屋でしたので、炊事当番を決めて料理をしていたようです。こういった仲間を「同じ釜の飯を食った仲間」というのでしょうが同時に「同じ鍋をつついた仲間」と言ってもいいのでしょうね。時代が現代になり、火鉢や七輪が使われなくなってからも、ガスコンロ、電気コンロ、近年にいたってはカセットコンロが普及しており鍋料理は日本人に愛され、いまでは1人鍋用の調理器具まで販売されるようになっています。筆者であるわたしも1人用の「小型グリル鍋」を愛用して「一人鍋」を楽しんでるし。夜1人で1人鍋をしていてもさみしくないし。全然さみしくないし・・・・・・・。明治維新がおき、日本の食文化に大きな変化が起こってからでも、日本人は鍋料理を愛し続けておりました。明治以降に誕生した鍋料理としては「牛鍋」が発達して今日の関東風スキヤキになりました。それ以外にも関東大震災後に全国に広まった「おでん」もあります。35         

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