おもしろコラム 巨椋 修
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いまやおやつの定番ポテトチップスですが、この食べ物が生まれたのは、19世紀半ば、場所はニューヨーク州のリゾート地サラトガ・スプリングス。この地でシェフをしていたジョージ・クラム氏は、ちょっとムカムカしていました。わがままな客が、クラム氏が作ったフレンチポテトがぶ厚すぎて気に入らないというのです。自慢の料理にケチをつけられたクラム氏。仕方なく薄く切って揚げたポテトフライを出しても、まだ気に入らないというのです。何度かやり直しをさせられたクラムシェフ。頭にきたと、フォークで刺せないくらい思いっきり薄くスライスしたジャガイモを揚げて出したところ、これが大評判となったのがポテトチップスのはじまりだそうです。日本帝国海軍が広めた料理として有名なのがカレーライスですが、他にももう一つあります、それが『肉じゃが』。肉じゃが発祥説にはいくつかあるのですが、有名なのが日本海軍のリーダーのひとりであり、日清日露の戦争で大活躍をした東郷平八郎が、ある日、艦上でイギリスに留学していたころ食べたビーフシチューを食べたいと、コックにいったところ、残念ながら材料がなく、またコックにビーフシチューの知識がなかったため、あり合わせの材料でビーフシチューをイメージしたものを作ったのがはじまりという説があります。しかしまあ、この時代には限りなくビーフシチューに近いハヤシライスも誕生しており、コックに知識がなかったかどうかは疑わしいところ。ただ、デミグラスビーフシチューの変わりに考案された肉じゃが39     

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