おもしろコラム 巨椋 修
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戦国武将はどんなものを食べていたのか?      2016年のNHK大河ドラマは戦国武将の真田信繁(幸村)を主人公にしたもの。では、舞台となる戦国時代、人々はどんなものを食べていたのでしょう?食に関する当時の記録ですが庶民がどのようなものを食べていたかというものは、ほとんど残っていません。残っているのは。公家や大名のおもてなし料理や、贈答品の記録、あるいは『往来物』と呼ばれる往復書簡、または日記に、残されています。魚の食べ方としては、まだ醤油が普及していなかったものの、いまとほとんど変わりません。ただ、活魚、鮮魚で食べられたのは、漁港近くに住んでいた人に限られておりました。理由は簡単。新鮮な魚を台所に運ぶまでの交通手段が極めて限られていたからです。よって、多くの魚は、現在の新巻鮭のように荒巻にしたり、塩干物にすることが多かったようです。ときどき記録に『無塩(ぶえん)』と書かれた魚が出てきますが、これはおそらく鮮魚のことだと考えられています。わざわざ『無塩』と書き記すほど、活魚や鮮魚が珍しかったのかも知れませんね。意外と少なかった鮮魚45    

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