おもしろコラム 巨椋 修
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  さて、ここで皆さんに問題です。戦国時代、もっとも高級とされた魚は何だと思います? ろん食べられてはいますが、少なくとも私自身は東京のスーパーや魚屋さんで売られているのを見たことがありません。答え:コイ。意外でしょ(笑)? や戦国武将の饗応料理や贈り物で喜ばれた魚なのです。その理由は、コイは河をさかのぼってやがて龍門に入り、龍となるという言い伝えが中国より伝わっていたため、大変ありがたくもおめでたい魚ということになっていたのです。コイは将軍が天皇家や宮家に送る最高位の魚だったのです。次いで高級な魚はタイ。当時の魚のランクとしては、コイは別格として、海のものが高く、次いで川のもの、一番ランクが低いのが山のものでした。タイは海の魚の最上位と魚とされていました。その次が関東ではあまり見かけませんが、いまでも京料理の高級魚であるハモも、記録によく残っています。これは当時、都が京都にあったからかも知れません。ハモは皮膚呼吸ができるため、海から引きあげても一日くらいなら生きているので、海のない京都の人々や、海から離れた領地を持つ大名でも鮮魚を食べることができたため、人気があったのかも知れません。もっともハモが捕れるのは瀬戸内海や九州ですから、西国大名などは好んで食べたのでしょう。あの池や川、湖に棲んでいる淡水魚のコイが、戦国時代以前ではもっとも高級とされ、公家ヒント、現在でももち戦国時代、もっとも高級とされた魚とは?46     

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