おもしろコラム 巨椋 修
52/318

からどこかいいお店に連れて行ってください」と頼まれたとしましょう。さて、あなたならどこに連れていきますか?多くの場合フランス料理、イタリア料理、中国料理などなど、世界で有名な料理は、そのほとんどがが食べるたべに作られてきた料理たちなのですが、なんと驚くなかれ。日本料理で世界に知られているもののほとんsushi(スシ)、tempura(テンプラ)、もしくはどが、庶民による庶民のための庶民の料理なんですね。もちろん、中世日本で発達した、公家が食べていた『大饗(たいきょう)料理』や『有職(ゆうそく)料理』というものもありましたが、現在では、ほとんど食べられることがなく、日本を代表する料理とは言えません。また鎌倉時代、将軍や大名を饗する料理として『本膳(ほんぜん)料理』というのが成立します。しかし、これも江戸時代を通して廃れてしまい、やはり現代の日本を代表する料理とは言えません。いまや世界3大料理のひとつにも数えられる、世界に冠たる日本料理を作り出していったのは、貴族でも武家でもなく庶民。農村や漁村の人々であったり、商人であったりするのです。たとえば、日本料理に大きな影響を与えた茶道の千利休は、元々魚屋であり後に倉庫業を営んでいた商人でした。 sukiyaki(スキヤキ)といったところではないでしょうか? “”    宮廷料理や、貴族階級51

元のページ  ../index.html#52

このブックを見る