おもしろコラム 巨椋 修
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”“”“  ”“ 書き、黍(きび)というイネ科の雑穀を意味します。つまりトウモロコシとは「外国から来た黍」という意味となります。トウモロコシもイネの穀物ですから、間違った言い方というわけではなさそうです。サツマイモは、薩摩藩(鹿児島)から伝わってきた芋が語源。しかし、その薩摩ではれていました。カボチャは「カンボジア」経由できたのでカンボジアが訛って「カボチャ」。トウガラシは、「唐」つまり外国から来た辛子。インゲン豆は、明の国から来た禅僧、隠元が持ってきたという伝説からそう呼ばれています。 これらアメリカ大陸出身の食べ物たちは、はるかアメリカからヨーロッパを経て、さらに中国や東南アジアなどから日本に入ってきたため、その途中経過の町の名前が付いていたりします。なんだかおもしろいですね。トウモロコシがヨーロッパに伝わると、これまでの小麦や大麦の代用品として、人々の口に入るようになりました。トウモロコシは14世紀のはじめにヨーロッパに伝わり、16世紀には日本にも伝わっています。ヨーロッパに入ってきたトウモロコシは、多くの日人に食べられるようになりますが、それは麦の代用品として人々に食べられるようになったといいます。  トウモロコシは収穫率が高く大量に作ることが可能なので、貧民のみならず豚や牛の飼料としても使われるようになり、食肉の生産量も増える結果となりました。いまやトウモロコシは米、麦と並ぶ三大穀物と言われていますが、ヨーロッパに入ってきた頃は、貧乏人を飢えから救った食べ物であり、家畜の餌だったのです。  者が漫画家のアシスタントをしていた若い頃たまたま住んでいたアパートの前にトウモロコシ畑があり、酒のツマミがなかったため、こっそりその畑のトウモロコシを失敬したことが何回かあります。そのトウモロコシは家畜の飼料用であったらしく、スイートコーンのような甘みもなく、家畜用ということで、それほど農薬も使っていなかったのでしょう茹でると必ずゲジゲジのデッカイのが浮かんでいるようなトウモロコシでした。でも、食べてました。当時のわたしは、貧民どころか家畜並の生活をしていたということでありましょう。美味なる食べ物唐芋(からいも)と呼ばというより貧乏人の小そういえば、筆  54

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