おもしろコラム 巨椋 修
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と繁殖することができるようになりました。と、どうなるか?飢え死にせずに、ジャガイモを食べて、たくさん子作りをすると人が増えた分だけ、それだけ食料がいる。また、ジャガイモを栽培して食べる。子作りをして人が増える。と、いうことで、ヨーロッパ人は飢饉がきても、生き残る人が増えていきます。貧乏人の子沢山は世界共通。人口が爆発的に増えていきます。ジャガイモのおかげで、貧しい人たちは飢饉がきても、死に絶えることなく、何とか生きながらえ、人口を増やし続けていきました。人口が増え続けても、貧しいながらも何とか食べていけたのも、ジャガイモのおかげです。しかし、あるとき悲劇が起こります。19世紀に植物の伝染病が、ジャガイモ疫病が、ジャガイモを襲ったのです。しかし、ジャガイモ疫病はヨーロッパの人々にとって、初めての体験であり、なすすべがまったくわかりません。こんなとき、原産国である南米のアンデス山脈の人々は、疫病がきてもいいように、いろいろな種類のジャガイモを植えていました。たとえ、疫病が流行っても、その病気に強い種類は収穫することができるからです。そのような知恵もまだ、ヨーロッパ人は知りませんでした。全ヨーロッパにジャガイモ疫病による飢饉が起こります。特にイギリスに支配されていたアイルランドは悲惨で、領主はイギリスに住んでいるため、悲劇的な事情をまったく知らず、アイルランドの人々から搾取を続けます。アイルランドでも、ジャガイモの恩恵を多く受けていてジャガイモが定着するとアイルランドの人口は急激に伸びて行き、ジャガイモが定着していなかった 世紀のアイルランド人口は約100万人程度だったのですが、ジャガイモが入ってくると急速に人口爆発が起こり19世紀半ばには800万人を越えるほどの人口となりました。アイルランドは貧しい国でしたから、いかにジャガイモが貧しい人々の命を救い、人口増加に貢献したかがわかり56       

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