おもしろコラム 巨椋 修
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が、それはさておき、どうもラーメンの最初は、横浜港で働く中国人相手に、屋台で日本そばを売ろうとした日本人がいたらしいのです。しかし、慣れない味の日本そばを中国人たちは好まない。そこでそのご主人は知り合いの台湾人に相談し、スープをカツオだしから鶏ガラ&しょうゆ味に変え、麺も日本そばの麺から中華風の麺に変えたのがはじまりだとか。この流れの味が、最初のラーメン店舗東京浅草の『来々軒』に受け継がれ、さらに『来々軒』で修行をした人や真似た人が全国に、いろいろなラーメンを伝えたといいます。つまりラーメンは中国から伝わったというより、最初は日本で働く中国人労働者相手に、日本人が中国人の口に合うように中国風日本そばを考案して出したのはじまりであるらしいのです。また、当時はラーメンという呼び名はなく、中華街のことを南京町と言っていたため「南京そば」と呼び、後に「支那そば」、戦後になると「中華そば」、そして1958年(昭和33年)世界初の即席めんであるチキンラーメンが売り出されるようになり、「ラーメン」という名称が一般的になりました。偉大なりインスタントラーメン!  うどん、そばは日本に古くからあるものですが、ラーメンは明治時代、スパゲティは昭和の戦後に日本人に親しまれるようになった料理です。スパゲティは、戦後進駐軍であるアメリカ人たちが軍隊の配給品として食べていたもので、茹でた麺にケチャップを和えたカンタンなものでした。それを日本の料理人が改良し、玉ねぎやピーマン、ハムの細切りなどを炒めて作ったのがナポリタンです。スパゲティはラーメンになれるか?68      

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