おもしろコラム 巨椋 修
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本に帰国するという、文字通り世界一周の旅でした。一行が最初にビールを飲んだのは、その往路のとき。そのときの記録を玉虫左太夫(たまむしさだゆう)という武士が書き残しています。「「苦味ナレドモ口ヲ湿スニ足ル」」これが日本人が最初にビールを飲んだときの記録です。一行が喜望峰を目指していたとき、一滴の水を争って飲むような深刻な水不足になってしまいます。そのとき船長が乗員に出したのが1人一瓶のビールでした。勝海舟や福沢諭吉のような偉人もビールによって命を救われたのかも知れません。まさに歴史の影にビールあり!   明治になるといろいろな人々がビール製造をはじめます。ビールって最初から日本人に愛されたお酒なのですね。明治の終わりころになると、キリンビールやサッポロビール、エビスビール、アサヒビールといったいまもあるメーカーが現れてきます。そして昭和の時代、ビール業界の主流はキリンビールとなります。それに一石を投じたのが昭和末期に発売されたアサヒビールの『アサヒスーパードライ』! ブームを引き起こしました。ビール戦争は業界の競争だけではありません。バブルの時代に海外のビールが安くなり日本のメーカーとの競争がですね。日本にドライビール現在のビール戦争とは?75          

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