おもしろコラム 巨椋 修
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食文化を変えた工場食品たち前述した欧米のうどんも、その国の口に合うようにアレンジされているものも多いようです。うどんは兄弟分の蕎麦に比べて、クセが少ないためいろいろアレンジしやすいのかも知れません。食文化というのは、時代や環境によって変化し、新しいものが次々に生まれてくるもの。きっとまた、私たちが想像できないような美味しいうどんが誕生するのでしょうね。ちょっと楽しみです(笑)       食文化というのは本来ならそう急激に変化するものではありませんでした。日本人は2千年間、日本のお米、ジャポニカ米を主食としてきました。明治時代、そして太平洋戦争後、パン食が入ってきましたが、いまだに日本人の主食はごはんが中心。1993年(平成5年)におこった米不足による『平成米騒動』では、急きょタイからタイ米(インディカ米)が輸入されましたが、日本人の口に合わず、大量に放棄されたり、あるいは「日本の米がないなら、パンを食べればいいではないですか」と、マリー・アントワネットのごとく(実はアントワネットが言った言葉じゃないけど)という人などおらず、まして「貧乏人は麦を食えばいい」などという人もおらず、日本人はただひたすら「日本のお米が現代社会は急速に食文化が変わっている83      

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