おもしろコラム 巨椋 修
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世界の食文化を変えた男 安藤百福したときなど「薬の代わり」と称して豚肉を食べたことが日記に残っています。この時代、あまり肉を鉄板や直火で焼く習慣がなかったので、おそらく鍋で煮たのではないかと推測できます。この時代、最後の将軍となった徳川慶喜は豚肉が大好きで「豚一(とんいち)さま」と陰口をたたかれるほどでした。時代の変化が下級武士である伴四郎の周囲、いえ、食べ物にも着々とあったようです。伴四郎はやがて和歌山に戻り、第二次長州征伐の一員として幕府軍と戦います。幸い戦死は免れたのですが、やがて幕府は倒れ(紀州藩は最後の最後に討幕軍、いわゆる官軍につくのですが)、明治になってからの伴四郎がどう生きたのかはいまもって不明です。       これまで何度かラーメンについて書いてきましたが、ちょうどNHKの朝の連続ドラマで『まんぷく』というインスタントラーメンの生みの親、安藤百福の妻をモデルにした物語をやっておりますので、今回はその男、世界の食文化を変えた男ともいわれる安藤百福の波乱万丈の人生について述べましょう。インスタントラーメンを作った人とは?90    

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