おもしろコラム 巨椋 修
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とでしょう。いえ、実際、当時の人も高いと感じたかも知れません。しかし、チキンラーメンは飛ぶように売れました。これ、ちょっと珍しい現象なんです。食というのは、命がかかっていますからどうしても保守的になる。大人ほど新しい食べ物を食べたがないのです。それにお店で食べるラーメンと同じ値段。初めてみる形、色だって悪く言えばちょっと毒々しい。まず消費者より問屋が「本当に売れるのか?」と、不安がったといいます。しかし売り出してみると、どんどん売れに売れて生産が追い付かなくなるほどだったといいます。  チキンラーメンの創始者である安藤百福さんは、さっそく工場を大きくして、一日10万食以上を生産するようにしましたが、それでもまだまだ追いつかない。この大ヒットの理由は、単にチキンラーメンが手軽に早大ヒット、そしてラーメンという言葉を根付かせる97     

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