TEBRA通信11月号
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PART1PART2PART3 5 研磨作業の実践 ※1「なるほどナットク!モーターがわかる本」(内田隆裕著、オーム社刊、2000年) P20 参照※2ダイヤルを操作して回転数を決める時、そもそもトリガーロックを使用しなければ好みの回転数を選択できない。最近のポリッシャーの電子制御はフィードバック機構付きで、回転数を測っているため1秒ほど遅れて回転数が落ち着く※3ほとんどのポリッシャーが変速のためのダイヤルを持っている。変速する際、メイングリップを握った手が開かないために飛ばされる危険がないよう、その位置を工夫してあるものもある。磨きながら回転数を変えるのは危険なため、充分に注意してほしい159 私は業としてポリッシャーの修理もしますので、「ここの使用方法をほんの少し気を付ければ修理しなくて済む」や「メンテナンスはこうしたほうが良い」と思われる点を解説します。合わせて、バフのメンテナンスや清掃に関しても説明します。電動ポリッシャーの修理の多い故障症状と そうならないための方策、 メンテナンスの心得など1)ポリッシャーのトリガースイッチの接点の摩耗、欠損、溶着 回転ポリッシャーの使用時に流れる電流は強い負荷を加えると、大きい場合には27〜30Aを超えます。これはアマチュアが焼損する可能性がある電流値です。整流子(=コミュテーター(※1)、コンミテーター、コンミなど)部などが焼けて白くなり、コイルを補強固定している樹脂などが緩くなり壊れます。これはバフと塗膜との摩擦が大きくなり、モーターに強い負荷が掛かってポリッシャーの温度が上がり、ケーブル類への抵抗が増え、電流値が上がった状態で起こります。 トリガーロックを利用せずに使用すると、人の指はロック機構よりも当てになりませんから、知らず知らずのうちに握りが弱くなって、点いたり切ったりを繰り返すこととなります。この瞬間に、高くなった電流値のためスパークが起こり、接点が溶解・溶着し、離れなくなったり、点かなくなったりします。 トリガーロックをして(※2)使用すれば、スイッチは常に通電した状態となり、スパークすることがなくなるので、ロックせずに使用する場合と比較して、接点が数倍長持ちします。この場合、ポリッシャーの回転数は研磨作業中にダイヤル(※3)でリアルタイムに操作することとなります。PART3 塗膜研磨の実践に関する考察 メンテナンス編

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