TEBRA通信11月号
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1 「研磨後のきれいさの評価方法」 6※1 「耐候光と色彩(改訂版)」(須賀長市著、スガ試験機刊) P197、P291、P305 要約※2 同書P197 引用 「測色の問題は、工業、産業界で広範囲に論じられるようになった」。これは、裏を返せば、産業の必要性が測色の技術を発達させたこととなる※3 研磨作業は自由に色を変えることができない。どれだけきれいに仕上げても、手を触れていない塗装の色以上のツヤにはならない。つまり、塗布された色に制限されるPART1 研磨した塗面のツヤを測色する 色の測定は、光沢の測定と同様に「塗膜、金属、プラスチックなどのあらゆる材料製品の表面の外観的特性として、(中略)品質管理に欠くことができない重要な要素(※1)」とされています。そのため、商品の品質(色)の同一性判断や耐候(光)性の有無、大小による変退色と老劣化による「色彩」の違いと変化は、多くの産業や人々の関心を集め、研究、規格化されるに至っています。 一般的に、商品の色の同一性(特に調色から塗装まで)やその表面品質の不変性は、測色の対象としての関心事象でした。同一種類の商品が、生産ラインや工場を異にすることで違う色になってしまうのを避けなければならないですし、耐候(光)性が悪い商品は、表面素材が老劣化して変色してしまうからです。これら工業、産業界での必要性が測色の技術を発達させたのでしょう(※2) 。 これに対して、鈑金塗装後の研磨作業によるツヤは、測色の対象ではありませんでした。バフによる研磨作業は、ブツやタレ、ミカン(ゆず)肌などの塗装不具合を修正するために当てた研磨布紙のペーパー目を消し直すために不可欠です。しかし、それは素材の性質を変化させない上、作業価値が塗装の失敗を直すだけの消極的なものであるため、充分な評価をされてこなかったのかもしれません。そもそも、ツヤが色として定量的に測れるほど、研磨後に変化することを想像できていなかったのではないでしょうか。 ところが昨今、塗膜研磨にかかわる液剤・機材であるバフ、コンパウンド、ポリッシャーの技術が進歩し、補修跡がほとんどそれと判別できない程度に仕上げられるようになってきています。限界(※3)はありま としての測色

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