おもしろコラム1月号2024
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池田平太郎絵:そねたあゆみ)201301 /-    これでは、「俺は忘れられて居るんじゃないか・・・」という気持ちにもなろうというもので、それは即ち、商社にとっ    1月号-120  て命綱とも言うべき情報の末端神経が機能不全を起こすことを意味するわけです。瀬島氏は、彼らに、「何を言ってるんだ!会社は、おまえを頼りにしているんだぞ!」と言い、あるいは、「心配するな!本社に、この瀬島が居る限りは・・・。」みたいなことも言ったでしょう。これで、奮い立った、これらの営業所から送られてきた情報を基に、瀬島氏は第三次中東戦争を分析し、伊藤忠に莫大な利益をもたらしたわけです。10のものを10発揮させる努力・・・、おわかり頂けたでしょうか。     (小説家         敗北を免れる妙法良寬という人の名言に、「災難に逢う時節には災難に逢うがよく候、死ぬ時節には死ぬがよく候。これが災難をのがるる妙法にて候」というのがあります。この点は、国家においても、同じ事が言えるのではないでしょうか?昨今の日本外交の閉塞感に伴い、感情論ばかりが先走る国内世論・・。これらの人たちは、論拠の是非以前に、対中・対米などのすべての関係でもしやするとすべてに勝とうと思っているのではないでしょうか?すべてに勝つなどというのは、日本のような小国にとって、普通に考えれば出来得る話はないのですが、そう言うと大体、返ってくるのは、「ア

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